ちょっと真面目な電子観望を初めて行いました

TL; DR

ぐらすのすちです。先日、あにすのすちと一緒に電子観望を行い、メシエ天体のいくつか、また比較的明るい天体を観察しました。

天体自体が思考する(坂口安吾

 私は今まで天体観測は知らなかつたが、別個に、私自身、肉体自体の思考、精神の思考を離れて肉体自体が何を語るか、その言葉で観測しなければならぬ。天体観測といふものを見直すことが必要だと考へてゐた。それは僕だけではないやうだ。撮影対象の大小を問はず、大体観測の高揚感の正体といふもの、モラルといふものを肉体自体の思考から探しださねばならぬといふことが、期せずして起つたのではないかと思ふ。

顛末

人間は一度楽を覚えるともとに戻れないとよく言われます。また、楽をしたがる生き物であるとも。ワタクシも同じです。

これまではFC-76にフラットナーをつけてCanon EOS 5D Mark IVで撮影していました。概ね不満はなくBackyard EOSを使ったパソコンからの制御方法をそーなのかーさんに教えていただき、ここ半年ほどずっとBYEを中心に据えたシステムを使ってきました。一眼レフを使った撮影で、ケーブルが多く煩雑という欠点はあるものの非常にお手軽で概ね不満なく使ってきました。

が、夏は別です。ダークが合わない。冷却をしない5D Mark IVは夏場はただでさえノイズが多いのですが、撮影後に温度を十分に合わせることが難しいため、ダークを十分に合わせられず処理に苦労することが増えました。前回撮影したvdB 123もダークが合わず縮麺ノイズがたくさん出たために暗い部分を潰してお茶を濁しました。この不満は冷却でノイズを抑え、更にダークの温度を合わせやすい冷却CMOSを導入すればたちまちに解決するはずです。

今年の梅雨、長かったですね。2ヶ月近く晴れず悶々と過ごしました。ひょっとして今も梅雨なのでは?と思う天気が続いています。拙宅でもポチリヌス菌が大繁殖したものですから、お盆前にZWO ASI 2600MCを導入してしました。

言い訳

8月28日~29日にかけて、あにすのすちとを連れて法務グラウンドの某ダムに行ってきました。本当は北アメリカ星雲を撮ろうと思っていましたが、大失敗しました。

撮像素子の大きさが135版からAPS-Cサイズに変わったので、FC-76につけていた補正レンズもフラットナーからレデューサーに変えました。

フラットナーをつけていた理由は、「焦点距離を伸ばす」「写野の周辺減光を減らす」の2点が大きな理由です。しかしAPS-CのASI2600MCならば、写野が小さくなるので(見かけの)焦点距離も伸びるし、写野が小さくなるので(見かけの)周辺減光も少なくなります。というわけで、フラットナーからレデューサーに変えたわけです。

しかしながら、EOS用アダプタに延長筒がついているのをすっかり忘れていて、レデューサーにしたときにピントが合わずに現場で大慌て。アダプターのせいだとわからずに、結局はフラットナーに戻しました。その後、hiroponid:hp2)さんらが喋っていたシムリングの厚みのことを思い出し、アダプターの厚みを測定してピントが出ないことがわかったのでした。テキトーな厚みのシムを買ってきて、解決。

8月28日の撮影はそういうわけで、釣果がありませんでした。しょうがないので、あにすのすちと電子観望をして、楽しみましたとさ。

初のでんしカンボー!怒りの2時間

以下、全て一枚撮りの結果です。ASI Studioインストールしておくべきでしたね。

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もくせい

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Messier 13

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NGC 6960

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NGC 7000

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Messier 33

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IC 1805

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つき

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Messier 31