TL; DR
glasnsciです。PHD2のベータ版で実装されているマルチスターガイドがM81/M82の撮影でうまく動作しなかった話です。天の北極に近いとうまく行かないのでしょうか(仮説検証中)。
先日は天城高原で天行(天体撮影修行)に勤しんできました。お昼にだぼさんを拉致していざ天城。撮影対象は北天分子雲~M81/M82のクリーム色を添えて~です。だぼさんの遠征記はこちらから。なんか最近周りに痛恨のミスをする人が多い気がします。「忘れ物確認ヨシ!!」って言った本人が忘れるなんて。Niwaさんみたいに「一つな落としぞ」って言わないと駄目なんですかね。ワタクシもよく忘れ物をするので、気をつけねば。
マルチスターガイドがうまく動作しないでやんす
今回はPHD2のマルチスターガイドを試してみようと思っていましたが、北天分子雲付近を導入してPHD2のキャリブレーションを走らせてもうまく動作しませんでした。何度キャリブレーションしてもエラー。使っているガイドカメラはQHYCCDのQHY5L-IIと、セットで販売されている130mmのガイド鏡です。
詳しいエラー文は覚えていないのですが、「キャリブレーションのステップ量が足らない」ではなく、別のエラーだったと思います。ガイドカメラの視野を若干ずらして、明るいガイド基準星がキャリブレーション時に画面ギリギリだったのをできるだけ中央付近に持ってきてみたりしてもNG。
一体何なんだろうなあと思いながらもワンスターガイドではキャリブレーションが成功するため、マルチスターガイドは使わずに撮影してきました。
帰ってきてから考えました。ポクポクチーン。
マルチスターガイドをすると天の北極付近では星が曲線状に移動するため、南北で移動量の差が生じてしまってうまく動作しないのでしょうか。天の赤道付近では、南極側の星も北極川の星も近似的には十分に直線的に動くはずです。下図に模式図を示しました。
でも、通常は星は天球上を見かけは必ず円弧移動するはずです。ドンピシャリ赤道上の星があったら別ですが。ワタクシが考えついた仮説のような、いい加減な処理をオートガイド用のソフトが、行なっているとは思えません。まさかね。
するとそーなのかーさんが「迷える子羊よ、ステップ数を増やしなさい」と。
私は130mmガイド鏡+QHY5L-IIですが、キャリブレーションステップは1500(天の北極付近では2500)にしてました。500だと時間がかかりませんか?
— そーなのかー (@haauueehhh) 2021年2月9日
そーなのかーさんが言っているのは、極付近では赤経方向の投影されたピクセル移動量が南北で違うってことですね。北側はあまり動かない、と。たしかにその方が納得がいきます。
普段は1700msでしたが、天の北極付近ではもっと増やすのですね……。次回遠征で試してみます。