東急世田谷線は君を待っているか

TL; DR

glasnsciです。ミラーレスカメラがもてはやされて久しい昨今、同志mejiroはPENTAX K-1 Mark IIを導入したようです。どうかしてるぜ。ところで、ワタクシ、glasnsciも新しい機材を導入して東急世田谷線を撮影してきました。本稿では、導入した新機材と動画を紹介します。

顛末書(USO 800)

新型コロナウイルス戒厳令下で緊縮的な経済活動を強いられた日本各地の企業。ワタクシが勤めるカイシャも経済活動縮小の影響を大いに受けたようです。連日耳に入る業務報告、同業他社の売上減から、「とうとうウチもボーナスは米支給だろうか」とか「いやいやマイナスだってよ」「ここはドーンと100万石くらい出るらしい」とか耳を疑うような情報戦がめぐらされておりました。しかしながら、色々とあって妥当なラインで賞与支給月数が発表され、ワタクシも一安心。むでをなねおろしました。

支給月数の発表日当日、同志mejiroとワタクシは、難しい顔をしたカイシャのジョーシと同僚らを蹴散らし、一目散にタイキンマン。道すがら「売買金」と日銀の低金利政策にあえぐ投資家にガンを飛ばして、一退一路、ヨ○バシカメラを目指しました。勇んで売り場へと足を運び、「これください」の一言。ワレワレの一言に召喚されたヨド○シカメラの店員は、当初はワレワレを登楼しないのに遊女を冷やかしに来た素見を見たのような胡乱な目つきで眺めていましたが、カメラを買うとわかった途端に手をもみだしました(嘘です。普通の対応でした)。

決済の段になると、同志mejiroはレジスタアの前で店員に尋ねます。

「オヤジ、今、何時でい?」
「只今の時刻は、20時13分です。おや、お客様、時計もお持ちではないみたいですね」
「それではCITIZENのECO Drive Oneなんていかがでしょう。時計はスイスで生まれました。日本の発明品じゃありません。しばし遅れを取りましたが、いまや巻き返しの時です」
「アストロトレーサーで時刻合わせられるんで結構です」

そうして気がつくと、同志mejiroの手にはPentax K-1 Mark IIが1......。私は何も買うつもりはなかったのですが、気がつくと手には紙袋がぶら下がっていました。たぬきにつままれた気分になりながら、東京都を急速離脱して帰宅しました。

さいきょーのしねかめら

同志mejiroがミラー至上主義へ懐古しだしていますが、私はミラーレスへと舵を切りました。CanonEOS 5D Mark IVを使っていましたが、今年の1月にはLUMIXのS1Rを購入しました。いずれは5D4は赤外線改造に出して天体専用機にする予定です。さて、前回寄稿したように最近動画撮影もやりだしまして、5D4に有償FWを入れてもらいCanon Log (CLog)撮影できるようにしてもらいました。しかしながら、5D4のCLogでは4:2:0の8bit撮影しかできず、ポスト処理すると空やガラスなどのグラデーション部にバンディングが見られるため、どげんかせんといかんなあと思っていました。

気がついたら手にしていたカメラ。それはPanasonic LUMIX S1Hでした。

価格それそのものは高いですが(馬鹿な買い物をしたかもしれないと若干後悔しているのでここでは明らかにしませんが)、Panasonic EVA1やSony VENICEといったシネカメラを買うよりは遥かにコストが安いです。4k/8k記録や4:2;2 10bit HLG撮影など、現代のシネカメラには必須の機能は多数備わっている、個人でも手が届く価格帯のシネカメラです。

コントラストAF主体のカメラはウォブリング駆動という動作を行います。特に、動画撮影時に用いられるAF-Cの動作ではウォブリング駆動は非常に重要な動作になります。これはステッピングモーターやボイスコイルモータで行うことが多い動作で、超音波モータ―では行うことが非常に困難です。EFマウントやSAマウントをLマウントに変換するSIGMA MC-21では、超音波モータ―が搭載されているレンズが多いため、S1系はAF-Cに対応していません。

じゃあこのままではAF使って動画撮影できないじゃんってなっちゃうので、一緒にSIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Artを買いました。これは政府支給分の資金を充当します。

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S1H with SIGMA 24-70 and S1R with APO Sonnar 135mm(撮影:E.K.)

東急世田谷線

東急世田谷線は、世田谷区の三軒茶屋から下北沢まで、区内の東半分を走る路線です。それぞれ東急田園都市線から京王電鉄京王線に接続し、中間の山下駅では小田急小田原線豪徳寺駅に乗り換えできます。ただでさえ東京は南北を貫く路線は少ないなかで3路線と乗り換え可能であり、また世田谷区は住宅街ということもあって、東急世田谷線は住民の重要な足となっています。

世田谷線も、都電荒川線と同様に今日では珍しくなった路面電車です。約5kmと距離こそ短いものの、沿線には豪徳寺や三茶、松陰神社ボロ市など史跡や名所などがさまざまひしめいています。ゴミゴミとした町並みの中を走るトラム。最高ですよね。

ワタクシglasnsciは何を隠そう、路面電車が大好きなのです。何も隠してないけど。昨年は岡電を撮影するためだけに岡山遠征しました。今年はいけなさそうです……。

Near Yamashita Station
date: Jan. 1st, 2020
location: Yamashita Stop. Tohkyu Setagaya Line, Setagaya Ward, Tokyo Met., JPN
optics: EF11-24mm f/4L USM @11mm
camera: CANON EOS 5D Mark IV
exposure:ISO100, 1/500sec, F7.1

長い口上がありましたが、撮影の結果を掲載します。


  1. と言いたいですが在庫がないため後日配送になりました。PENTAXは一眼レフのシェア世界一を目指すという話を聞いています。同志mejiroは熱心なPENTAXファンなため、それを後押ししたいのでしょう。お布施なわけです。いいぞ。えらい。