山梨県天体写真遠征記

TL; DR

glasnsciです。今月の新月期(11/14)に訪れたウラシロダムの遠征記録です。Niwaさんとお会いしました。びっくり。

はしがき(了承ください)

今回はちょっとした重大な過失があります。

顛末1

11月の新月期は、かつてないほどの晴天に恵まれました。日本列島は大陸からの高気圧が居座ることで連日の晴天が続き、普段であれば「まーた、新月期はどうせ曇りなんでしょう?」と斜に構えているむくつけき天体写真ファンもビッくらポンのド快晴。全国の天文ファンが諸手を挙げて喜んだのでした。

バンザイ!

さて、我々矮小銀河も座して待っているわけではありません。座っていては遠征できませんので。週末が晴れそうということが分かった時点で、同志sonnar、howard、mejiroらに

「次回の遠征はウラシロダムとする。努、準備を怠らぬよう」

と大仰にLINEを送り、と楽しみにしておりました。よーし、金曜日も土曜日も遠征しちゃうぞー、とウキウキで週末を待つglasnsci。しかしながらこの数週間、glasnsciは仕事がイタイプダムのように溜まっており、連日残業続き。金曜日も残業。遠征にいけませんでした。なんとも悲しいことに土曜日も休日出勤になってしまいました。

なんとしても遠征したいglasnsciですが、流石に翌日が出勤となってしまった以上金曜日は遠征できません。ですから、先輩に拝み倒し、ヨイショヨイショして靴先を舐めて、土曜の休出はなんとか定時切り上げとしてもらいました(普通に話したら定時で上がろうとなりました)。その後S氏が会社まで迎えに来てくれて、自宅へ超特急(非常に感謝しております。S氏ありがとうございます)。ゆっくりいそいで、ウラシロダムへと向かいました。いつもどおり、2時間弱で到着しました。

一方その頃同志sonnarは……

glasnsciから「21時にはダムにて集合」と言われた同志sonnarはウラシロダム管理棟前の駐車場で待っていたようでした。ウラシロダムの堤体ではなく近くの公園でglasnsciは普段撮影していますが、伝達ミスで公園ではなく駐車場で待っていた同志sonnar。20時45分頃にglasnsciが近くの道路をゆっくり猛スピードで通るまでは、地元の消防団が何やら怪しげな奇祭に興じる様子を眺めており、不穏な空気に冷や汗をかいていたとのことでした。

申し訳ないです……。

いざ撮影準備

今回は同志mejiroはやんごとなき事情で来れませんでした。フムン。ヤツは破門ですな。到着してから同志sonnarは久々のSkymemoで北極星を導入できず、四苦八苦していました。そこでglasnsciが鮮やかな手付きで導入。北極星の導入ができずに何度も大顧問に「キョウイク」された成果です。ふふん。しばらくすると、同志howardが到着しました。

しかし、今度はglasnsciが対象を導入できません。同志howardがよく場所がわからないと思うので、対象導入出来ない憂さ晴らしで公園内を散歩します。フラフラ歩いていると、何やら怪しげな赤道儀が据え置かれているではありませんか。その姿にglasnsciは見覚えありました。暗晦の中にも、ワタクシは咄嗟とっさに思いあたって、叫んだのです。

「もしやその姿、Unitecのポタ赤、SWAT-350ではないか」
ややあって、草むらの中から低い声が答えました。「如何にも自分はUnitecのSWAT-350である」

SWATの持ち主の方と喋っていると、Twitterのフォロワーがウラシロダムの話をしていて、どうやらよさそうな撮影地みたいだから来てみた、とのこと。

「奇遇ですね」

glasnsciもちょうど昨日フォロワーさんと話題にしていたんですよ笑っていると、アカウント名は?と誰何の声が。

「glasnsciです」
「Niwaです」

まとめます。Niwaさん(@Masahiko_niwa)さんでした。

twitter.com

まさかフォロワーさんと出会えるなんて思いませんでした。非常に充実したお話が出来てとてもおもしろかったです。Niwaさんありがとうございました。

なお、一緒に散歩に連れ立った同志howardはその間立ちんぼでした。申し訳ないです……。興味なかったら帰ってよかったのよ。ごめんなさい。

撮影対象1

北冥に星あり、その名を「いかりぼし」となす。その大いさ幾千里なるやを知らず(逍遙遊篇、莊子)

今回の遠征の目的は前回1敗北した、ハート星雲(IC1805)と胎児星雲(IC1848)へのリベンジです。あと、前回悩まされた変な縞ノイズが他のISO感度でも再現するかどうかの県訴訟も含みました。

今回も導入に苦労しました。少ない脳みそでglasnsciも考えました。telescopiusで予めペルセウス座二重星団(h-\chi Persei)との位置関係から、だいたいの位置を調べておくという画期的な解決法を!(準備しておけよ、前回も)

現地到着後、導入を試みますが、淡くて映らない……しょうがないので、やはり前回と同じように二重星団基準で場所を決めます……が今回は映らないまでも場所が定まっていたので(下図)、構図はバッチリです!

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キミにきめた構図(Heart Nebula IC 1805 - Diffuse Nebula in Cassiopeia Constellation

まず、撮影結果を載せます。

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かぶり除去、STFでストレッチ後の画像、ISO1600、5分、F3.5

前回も悩まされた、謎の帯状ノイズがくっきり見えます。この時点で、glasnsciはだいぶ意気消沈していました。また、あの地獄のレイヤーマスクを使うのか……と。でもでも、なんだか星像がボテッとしてるように思えませんか。中心付近を拡大します。

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中心付近の拡大図。ものすごいホットピクセルです

ピンぼけです。あひぃーん。完全にやる気を無くしました。もう、やってられません。と、いうわけで、今回の遠征の画像メインは同志sonnarの撮影です。ヤツの記事を、待て。glasnsciは恥を晒して筆を休めます。