TL; DR
glasnsciです。去る12月24日、法務グラウンドであるウラシロへ遠征してMamiya Sekor Z 250mm F4.5のテスト撮影を行ないました。結論から申し上げますと、天体写真には使えないですね。
マミヤにSekorブランドのレンズにはアポクロマートを謳った製品とそうでないものがあります。アポクロマート品はAPO Sekor。そうじゃないものはAPO銘が外れてSekorとして販売さています。APO Sekorに関しては天リフや大顧問が記事に起こしているのでそちらをご覧ください。
早速撮影結果について
で、ぐらすのすちはアポクロマートじゃないSekorレンズもひょっとしたら天体撮影に使えるのではと思い、購入したわけですが、ちょっと使えないですね。色収差がひどくてどうしようもないです。青ハロが大きく出ちゃいます。論より証拠。まずは6.4h分露光して、インテグレーションした画像が下記の通り。
インテグレーション直後の中心四隅の切り出し結果がこちら。コマ収差も大きくでていますが、色収差が押えられればなんとか使えるレベルのようには思えます。
青ハロが異常、と書いた通りで、Bchだけピントが合っていません。
ということはg線の合焦を放棄した典型的なアクロマートの作りのようですので、バンドパス系のフィルターを使えばなんとかこのレンズは使えそうです。それかモノクロカメラでRGB撮影をするか……。いずれにせよ、そのまま使うのはなかなか骨が折れそうです。
画像は救済できるのか?
ですが、頑張ればなんとかこのくらいまでは救済できそうです。
- インテグレーションした画像に対して青ハロになっている部分を抜き出したマスクを作る
- RGB分解する
- BchにMorphological Transformationで青ハロを縮小する
でなんとか下画像程度までは青ハロ低減できました。
他のやり方としてはそーなのかーさんに「BchにBXTをかけては?」と提案いただきました(BXT=Blur X Terminator)。
BXTで効果があるのなら、デコンボリューションしてもいいはずです。
どちらにせよBchにのみかけているので青ハロが低減する結果を得られました。ただし、BchにBXTをかけたもののほうが星の芯の色はきれいに出ています。おそらくDeconv.+MTはMTが悪さしてるんじゃないでしょうか(諸説ある)。
おわりに
やっぱりアポクロマートじゃないレンズを使って撮ると、後処理が大変です。光学設計ってすごい重要ですよね。以上、アポじゃないMamiya Sekor Z 250mm F4.5は天体写真への適用が厳しい、という記事でした。