ポートレート撮影に最適な画素数は?1210万画素で撮る美しい世界

TL; DR

散財家のSonnarです。皆さま、GWはどのようにお過ごしでしょうか。 私はカメラを持って近所を散歩したり、同志mejiroと狩りに出かけたりしています。実は、元々かなりのインドアなので、緊急事態宣言等の発令があっても、私自身の生活はあまり変化していません。

さて、今回は ポートレート撮影に最適な画素数は? というテーマでお送りしようと思います。画素数の良し悪しについて意見を述べていますが、あくまで個人の一意見として読み進めていただければと思います。

1. ポートレートに最適な画素数は?

「〇〇を撮るにはこのくらいの画素数が必要だ」「このくらいの画素数あった方が後でトリミングする際に役立つ・・・」といった話をよく耳にすると思います。それもそのはず、一眼レフカメラのセンサーには、1000万画素クラスのものもあれば、4000、6000万画素といったように幅広く存在しています。

今回は、ポートレートという視点において、どのくらいの画素数が最適なのか深堀りしていきたいと思います。

素数を検討するにあたり、私が普段から注意しているポイントが3つあります。

  • 暗所撮影するか
  • 被写体は何か
  • 過度なトリミングが想定されるか

 一つ目の 暗所撮影するか についてですが、暗い場所での撮影が想定される場合、基本的にはISO感度を上げる必要があるので、高画素のカメラよりも低画素 (1000~2000万画素) のカメラの方がノイズ特性の点において有利になってきます。ポートレート撮影において、ISO感度をかなり大きくしなければいけない・・・なんて場面は少ないと思います。そういった意味では、どんなカメラでも概ね問題ないと言えます。(極端に暗い場所での撮影は別の話です。)

 二つ目の 被写体は何か についてですが、大きく分けて風景・モノと人物に分けて考えています。ここで重要視しているのは、被写体を繊細に写す必要があるのか、またその場合にデメリットはないのかという点になります。例えば、被写体が風景の場合、多くの人が高画素のカメラを好んで使うのではないでしょうか。私も同じ認識です。これは、風景の細部から隅々まで繊細に写したいという想いからだと思います。ポートレートにおいても、髪1本1本まで解像した繊細な写真を撮りたいといったときには、高画素のカメラを使うのはありかもしれません。

しかし、私はここでデメリットも提案しておきます。特に女性を被写体とする場合、必ずしも繊細に写すということがいい方向に転ぶとは限らないからです。ポートレートのメインはやはり被写体の顔です。ここをどう表現するか、どう綺麗に写し出すかがポイントになってくると思います。高画素のカメラで撮影した場合、女性の顔にあるニキビ跡や、化粧のムラなどが繊細に写りすぎてしまうという問題があります。これは女性が一番嫌うことです。そのため、被写体は何か という点について、人物が対象となる場合は、ある程度画素数を抑えたカメラを使用するのがいいのではないかと考えます。

 最後に 過度なトリミングが想定されるか についてです。高画素のカメラを使うメリットとして、トリミングを行っても、ある程度の画素数を確保できるという点が挙げられます。例えば、野鳥撮影やモータスポーツ、その他主に望遠レンズを主とする撮影において、もう少しアップで撮れたらな・・・という場面が多々あります。大抵は、場所の制約や焦点距離の限界からそういった問題が生じます。

そこで、ある程度画素数の大きなカメラで撮影しておけば、現像時に過度なトリミングを行っても、全く問題なく使える写真が出来上がります。さて、ポートレートにおいてトリミングが必要とされるかについてですが、私はあまり重要視していません。撮影の段階で満足できる撮影距離を確保することや、予め構図を決めておくなどして、現像時に大幅なトリミングや構図変更がないように心がけています。このことから、ポートレートでは過度なトリミングは想定されないため、高画素のカメラでなくても問題ないと言えます。

 以上の3点より、ポートレートで最適な画素数を決めるわけですが、私はやはり女性の顔を綺麗に写すことを一番に考えます。 被写体は何か で既述したように、人物 (特に女性) を被写体とする場合、そこまで繊細に写す必要がないことから、2000万画素クラスのカメラがベストと言えるのではないでしょうか。また、ノイズ耐性の面から考えても、2000万画素程度のカメラであれば非常に扱いやすいと思います。

2. 1210万画素の世界

 先ほど、ポートレートでは2000万画素程度のカメラが・・・というお話をしましたが、私が愛用している SONY α7S3 というカメラは、1210万画素のカメラになります。おそらく、 低画素 と言われる部類に入ると思います。低画素のデメリットとして、先ほど挙げたようなトリミングの都合の悪さや、大きなポスター等に印刷した際の画素数不足等が考えられます。しかし、一般的な使用用途 (SNS等への投稿)では、全くといっていいほど問題がありません。むしろ、ノイズ耐性やデータ容量の大きさから、低画素カメラの方が好むようになりました。

 それでは、1210万画素で撮影したポートレート作品をご覧ください。

SONY α7S3 portrait

date: May 1, 2021
location: Kamakura, Kanagawa, JPN
optics: SONY FE 50mm F1.2 GM
camera: SONY α7S3
exposure: ISO 80, f1.2 1/200sec

SONY α7S3 portrait

date: May 1, 2021
location: Kamakura, Kanagawa, JPN
optics: SONY FE 50mm F1.2 GM
camera: SONY α7S3
exposure: ISO 80, f1.2 1/2000sec

いかがでしょうか。ノイズレスで非常に気持ちいい写真に出来上がったと自負しています。写真の雰囲気として、パキッとした印象よりも、なんだか柔らかく、ツルツルとした質感を感じていただけないでしょうか。これがまさに低画素カメラの特徴だと思っています。

少し話はそれますが、2年ほど前、ライブ撮影の仕事で NikonD5 というカメラを使用し、撮れた画像の綺麗さに驚いたことがあります。そのカメラも、約2000万画素という抑えめのカメラで、似たような質感の写真だったことを思い出しました。

最近発売されるカメラは高画素モデルが多くなってきているような印象を持ちますが、本ブログを読んでいただいた皆さんには、1210万画素という低画素カメラの魅力を少しでもお伝えできればと思います。また、自身が必要としている画素数に関しても、考えてみるきっかけになればと思います。

3. 最後に

 今回は ポートレート撮影に最適な画素数は? というテーマでお送りしてきました。撮影対象や環境、その他要因から必要な画素数に関して考えてみるのも楽しいですね。あくまで個人としての意見になりますので、参考程度にしていただき、引き続き皆さんの写真ライフを楽しんでいただければと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

撮影協力:葵井 宙 (Twitter:@___SoraoO13)

SONY α7S3 portait