最近の画像処理の流れ|Masked StretchとStarnet

TL; DR

glssnsciです。前回の記事で、「最近Starnetを積極的に使って星の色を引き出すようにしています」と書いたところNiwaさんから「詳しく」されましたので、本稿ではその内容述べます。対して目新しいことはやってないですけれど、ご参考になればと。

fornax.hateblo.jp

いきなりですが、前処理は終わったものとします。マヅはここからじゃ。

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スタック→ABE→PCCまで終わった状態(STF仮ストレッチ)

最近はMasked Stretchを使うようになりました。この状態で、バックグラウンドが0.1~0.15程度になるようにします。

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Masked Stretchの設定値
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Masked Stretchの結果

だいこもんが以前「Starnetはある程度ストレッチしておかねばうまく動かぬ。努忘れるべからず」と言っていましたがそのとおりで、ストレッチする前にStarnetかけるとうまく分離できません。みなさまも試してみてください。

Starnetで星とそれ以外を分離する

また、Starnetで分離した星にCurves Transformationをかけて、星の色を強調します。色ノイズはスタック処理、撮影時のディザリングによって彩度が低い状態にあるので、中間域を持ち上げる処理です。彩度が高いところはあまり持ち上げないようにします。下図は例です。これは個人の思想がある&対象によって適切なカーブがありますので、各々試すのが良いと思います。

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Curves Transformationで星の色を強調

Curves Transformationで星の色を強調する。左は強調前、右は強調後

また、星以外の画像はRange SelectとLocal Histogram Equalisationで分子雲のモクモクを強調しておきます。その後、Pixel Mathで星の画像とそれ以外が写った画像をテクマクマヤコンテクマクマヤコン $T+画像の名前 します。すると以前公開しました画像が得られます。

M81, M82 and molecular cloud